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[全文公開] マイホームの買換え特例と省エネ基準

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10年超所有する特定のマイホームを売却し、一定の住宅に買い換えた場合、譲渡益に対する課税を繰り延べられる特定居住用財産の買換え特例を適用できる( 措法36の2 )。令和4年度改正では、適用期限が令和5年12月31日まで2年延長されたほか、買換資産の要件に、一定の省エネ基準を満たすことが加えられた。

同特例における買換資産は、マイホームの売却年の前年から翌年末までに取得した住宅が対象で、売却年又はその前年に取得した場合は売却年の翌年末まで、売却年の翌年に取得した場合は取得年の翌年末までに居住する必要がある( 措法36の2 ①②)。

令和4年度改正では、令和6年1月1日以後に居住の用に供する(居住見込みを含む)新築住宅等について、一定の省エネ基準を満たしていない「特定居住用家屋」に該当するものが買換資産の対象から除かれた( 措令24の2 ③)。特定居住用家屋とは、令和6年1月1日以後に建築確認を受け、同年7月1日以後に建築された住宅等で、住宅性能の指標のひとつである断熱等性能等級と一次エネルギー消費量等級が一定水準を満たしていない住宅のことだ。住宅ローン控除における省エネ基準適合住宅の省エネ性能の基準と同じものとなる( 措法41 [25]、 措令26 [24][37]、 №3701 等)。

同改正は、令和4年1月1日以後に行うマイホームの売却に係る買換資産について適用される。特定居住用財産を交換した場合の長期譲渡所得の課税特例についても同様の見直しが行われた( 措法36の5 )。

なお、同改正では、居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例等の適用期限が令和5年12月31日まで2年延長されている( 措法41の541の5の2 )。