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[全文公開] デジタルガバナンス・コード2.0とDX認定

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令和3年度改正で創設されたDX投資促進税制では、適用に当たり事業者が「DX認定」を受けていることが前提となる。本年9月にDX認定基準の基となるデジタルガバナンス・コードが改訂され、本年10月以降の認定申請からDX認定基準が一部見直される。

DX投資促進税制は、主務大臣の認定を受けた事業適応計画に基づき、DXの実現に必要なクラウド技術を活用したデジタル関連投資として取得等したソフトウェア等について、取得価額の3%(一定の場合は5%)の税額控除又は30%の特別償却を選択適用できる制度をいう( 措法42の12の7 )。

適用要件の一つであるDX認定とは、デジタルガバナンス・コードの基本的事項に対応する企業を国が認定する制度で、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が認定に係る審査等を行う。DX認定基準の基となる「デジタルガバナンス・コード」とは、企業のDXに関する自主的取組みを促すため、経営者に求められる経営ビジョンや戦略等の策定・公表などの対応を取りまとめたもので、令和2年11月に公表されて以来、初めての改訂となる。今回、同コード内の「組織づくり・人材・企業文化に関する方策」の基本的事項に人材の育成・確保に関する項目が追加された。

これを受け、DX認定基準についても同様に、企業が公表するデジタル技術活用戦略の中で、デジタル人材の育成・確保に関する事項を具体的に示すことが要件に追加され、令和4年10月1日以降は新基準に基づき認定申請を行うこととなる。

なお、DX投資促進税制は令和5年3月末までの設備取得等と事業供用が要件とされる。事前にDX認定と事業適応計画の認定を受ける必要があることから、同税制を適用したい事業者は早めに申請等の準備が求められよう。