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[全文公開] ふるさと納税の受取日と計上時期

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年末が近づき、今年もふるさと納税を駆込みで検討する動きがあるようだ。寄附者が受け取る返礼品に係る経済的利益は一時所得として計算するが、その収入すべき時期は、到着年月日や発送年月日を考慮する必要がある。

一時所得に係る総収入金額の収入すべき時期は、その支払を受けた日とされ、その支払を受けるべき金額がその日前に支払者から通知されているものは当該通知日とする( 所基通36-13 )。自治体からの返礼品の発送通知や受領等に時間を要し、ふるさと納税の利用年と返礼品の受領年が一致しない場合、基本的には返礼品の受取日の属する年分とするようだ。

国税不服審判所の令和4年1~3月分の公表裁決に、ふるさと納税の返礼品に係る経済的利益の収入すべき時期を争点の一つとした事例がある( №3716 )。

審判所は、一時所得に係る総収入金額の収入すべき時期につき、返礼品を取得した日、具体的には、寄附者である請求人の住所地等に到着した日又は到着したと合理的に認められる日の属する年分とするのが相当と判断している。

その上で、同事例については、具体的な到着年月日がわかる返礼品は、請求人の住所地等の到着日。到着年月日は不明だが発送年月日が特定されているもののうち、1~11月の間に発送されたものは、到着までにかかる通常の配送日数及び返送の事実がないことを考慮し、その発送された年中に請求人の住所地等に到着したものと認めるのが相当としている。

なお、12月発送分、発送年月日・到着年月日が不明なものは、返礼品の調達事業者等への調査で確認された到着年月日により、所得の収入すべき年分が判定されている。