※ 記事の内容は発行日時点の情報に基づくものです

[全文公開] 年末調整と住宅ローン控除

( 46頁)

給与所得者が住宅ローン控除を適用する場合、適用初年度は確定申告をする必要があるが、2年目以降は年末調整により控除を受けることができる。令和4年中に入居した者は、令和5年分から初めて年末調整で住宅ローン控除を適用できることになる。

令和4年中に入居した場合に適用できる住宅ローン控除制度では、令和5年分の控除率について1%と0.7%のケースが存在する。令和3年度改正により延長された控除期間13年間の特例措置では、令和3年以前の一定の期間に契約締結し、令和4年末までに入居した場合、控除率1%(10年目まで)、借入限度額4,000万円(認定住宅等の場合は5,000万円)の住宅ローン控除を適用できる(新型コロナ税特法6の2、 №3735 )。一方、令和4年度改正では、住宅ローン控除の控除率が0.7%に引き下げられたほか、住宅の省エネ性能に応じて「ZEH水準省エネ住宅」や「省エネ基準適合住宅」の新区分が設けられ、借入限度額等が見直された( 措法41№3693 等)。

年末調整で住宅ローン控除を適用する場合の提出書類は、①税務署から交付される住宅ローン控除証明書兼申告書と②金融機関等から交付される住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書がある( 措法41の2の2 等)。①では入居年の翌年に、各年分の年末調整で使用する証明書兼申告書が紙で一括して郵送されるか、e-Taxにより毎年データで交付される。住宅ローン控除申告書には適用される控除率が記載されているため、それに従い計算すればよい。

なお、令和4年度改正では、②の年末残高等証明書について、金融機関等の対応を前提に添付不要とする見直しも行われたが、適用は令和5年以後に入居し、令和6年1月以後に行う確定申告や年末調整となる( №37133718 )。令和5年分の年末調整では、従来と同様添付が必要となるため留意されたい。