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[全文公開] 新NISAと移行手続

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少額投資非課税制度(NISA)が令和5年度改正で見直され、来年1月から新NISAが始まる。ジュニアNISAは本年末で終了し、現行の「一般NISA」と「つみたてNISA」は「成長投資枠」と「つみたて投資枠」になる。

NISAは、口座開設年の1月1日現在において、18歳以上の居住者等であれば利用できる( 措法37の14 ⑤)。開設手続には、非課税口座開設届出書及びマイナンバーカード、運転免許証等の本人確認書類の提出が求められ、複数の金融機関で重複した開設はできない。現行のNISA口座を保有している場合、同一の金融機関で新NISAの口座が自動的に設定されるため特段の手続は不要だが、積立設定も引き継がれるため、積立金額を変更したい場合などは自身で再設定が必要となる。

現行NISAでは、非課税保有期間が満了した際に新たな投資枠への移管(ロールオーバー)が可能だったが、新制度の開始後は現行NISAの口座から新NISAの口座へ移管できなくなる( №3779 )。現行NISAの今後の取扱いとしては、①資産を売却・現金化してから新NISAで商品を購入する、②非課税保有期間の満了まで保有して売却する、③保有資産を課税口座に払い出すといった方法が考えられるが、③では取得価額が払い出した際の時価に変更されるため、売却の時期によっては納税額が増える可能性がある。

新NISAを利用する場合、新制度開始後はもちろん、本年中でも積立設定をすることが可能だ。設定時の入金方法には、口座引落しやクレジットカード決済、インターネットバンキング等による即時入金などあるが、令和6年1月から新NISAを利用したい場合は、金融機関によるものの、本年以内にインターネットバンキング等による即時入金サービスを利用して入金しなければ間に合わないケースもある。