※ 記事の内容は発行日時点の情報に基づくものです

短期集中連載 各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税に係る実務上の留意点 第1回 対象範囲

  林 幸宏

( 18頁)

はじめに

2021年10月にOECD/G20の「BEPS包摂的枠組み」において合意されたグローバル・ミニマム課税に対応するため、令和5年度の税制改正により各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税が創設されました。この各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税は、各対象会計年度の直前の4対象会計年度のうち2以上の対象会計年度において、全世界での年間総収入金額が7億5,000万ユーロ以上の多国籍企業グループを対象にしており、実質ベース所得除外額を除く所得について国ごとに基準税率15%以上の課税を確保する目的で、子会社等の所在する軽課税国での税負担(実効税率)が基準税率15%に至るまで、日本に所在する親会社等に対して上乗せ(トップアップ)課税を行う制度です。

各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税は、令和6年4月1日以後に開始する対象会計年度から適用され、その申告書は、初回特例を適用する場合には対象会計年度終了の日の翌日から1年6か月以内に提出することとされているので、この特例を適用する令和7年3月決算の法人は令和8年9月末が申告期限となります。

ここでは、初回の申告書の提出期限が間近...