概要

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<通達本文>

利益積立金額とは,法人の所得の金額で留保している金額として,前事業年度までの利益積立金額の増減額及び当該事業年度の利益積立金額の増減額の合計額とされている(令9)。

利益積立金額の増減項目と増減額は,次のとおりとされている。

1 増加項目と増加額

① イからヲまでに掲げる金額の合計額からワからネまでに掲げる金額の合計額を減算した金額(その金額のうちに法人が留保していない金額がある場合には,その留保していない金額を減算した金額)

イ 所得の金額

ロ 受取配当等の益金不算入の規定により所得の金額の計算上益金の額に算入されない金額

ハ 外国子会社から受ける配当等の益金不算入の規定により所得の金額の計算上益金の額に算入されない金額

ニ 受贈益の規定により所得の金額の計算上益金の額に算入されない金額

ホ 還付を受け又は充当される法人税等の額

ヘ 通算税効果額(附帯税の額に係る部分の金額を除く。)

ト 欠損金の繰越控除額

チ 完全支配関係がある法人の間の取引の損益の規定の適用がある譲渡損益調整資産に係る譲渡利益額に相当する金額から譲渡損益調整資産に係る譲渡損失額に相当する金額を減算した金額

リ 法人課税信託に係る所得の金額の計算の規定により所得の金額の計算上益金の額に算入されない金額から損金の額に算入されない金額を減算した金額

ヌ 損益通算の規定により所得の金額の計算上損金の額に算入される金額

ル 通算法人の合併等があった場合の欠損金の損金算入の規定により所得の金額の計算上損金の額に算入される金額

ヲ 医療法人の設立に係る資産の受贈益等に規定する金銭の額又は金銭以外の資産の価額及び利益の額

ワ 欠損金額

カ 法人税及び地方法人税として納付することとなる金額,その法人税に係る道府県民税及び市町村民税として納付することとなる金額並びに通算税効果額を支払うこととなる場合のその支払う金額(附帯税の額に係る部分の金額を除く。)

ヨ 中間申告における繰戻しによる還付に係る災害損失欠損金額の益金算入等の規定により所得の金額の計算上益金の額に算入される金額

タ 完全支配関係がある法人の間の取引の損益の規定により譲渡損益調整資産の取得価額に算入しない金額から譲渡損益調整資産の取得価額に算入する金額を減算した金額

レ 損益通算の規定により所得の金額の計算上益金の額に算入される金額

ソ 欠損金の通算の規定により所得の金額の計算上益金の額に算入される金額

ツ 関連法人株式等に係る配当等の額から控除する利子の額の規定により所得の金額の計算上益金の額に算入される金額

ネ 特定支配関係のある法人から配当等の額を受ける場合における,当該法人の株式の基準時の直前における帳簿価額から減算される金額

② 適格合併により引継ぎを受ける被合併法人のその適格合併の日の前日の属する事業年度又は連結事業年度終了の時の利益積立金額又は連結個別利益積立金額

③ 自己を分割承継法人とする適格分割型分割に係る分割法人の利益積立金額又は連結個別利益積立金額で分割法人から引継ぎを受ける金額

④ 自己を被現物分配法人とする適格現物分配により現物分配法人から交付を受けた資産の当該適格現物分配の直前の帳簿価額に相当する金額

⑤ 資本又は出資を有する法人が資本又は出資を有しないこととなった場合のその有しないこととなった時の直前における資本金等の額に相当する金額

⑥ 通算法人が他の通算法人の株式又は出資を有する場合において,他の通算法人について通算終了事由が生ずるときの簿価純資産不足額に相当する金額から簿価純資産超過額に相当する金額を減算した金額

⑦ 法人が有する完全支配関係がある法人の株式について寄附修正事由が生ずる場合の受贈益の額に持分割合を乗じて計算した金額から寄附金の額に持分割合を乗じて計算した金額を減算した金額

2 減少項目と減少額

① 剰余金の配当等の額として株主等に交付する金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額(みなし配当の額を除く。)

② 非適格分割型分割に係る分割法人が分割型分割により分割法人の株主等に交付した金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額から減少する資本金等の額を減算した金額

③ 適格分割型分割により分割承継法人に移転した資産の適格分割型分割の直前の帳簿価額から移転した負債の直前の帳簿価額及び直前の資本金等の額の合計額を減算した金額

④ 非適格株式分配により株主等に交付した完全子法人の株式その他の資産の価額の合計額から減少する資本金等の額を減算した金額

⑤ 資本の払戻し等により交付した金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額が減資資本金額を超える場合におけるその超える部分の金額

⑥ 出資等減少分配により交付した金銭の額が分配資本金額を超える場合におけるその超える部分の金額

⑦ 自己株式の取得等により交付した金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額が取得資本金額を超える場合におけるその超える部分の金額

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