9-3-5の2 定期保険等の保険料に相当多額の前払部分の保険料が含まれる場合の取扱い

※ 本コンテンツは刊行日時点の情報に基づくものです

<通達本文>

法人が,自己を契約者とし,役員又は使用人(これらの者の親族を含む。)を被保険者とする保険期間が3年以上の定期保険又は第三分野保険(以下9-3-5の2において「定期保険等」という。)で最高解約返戻率が50%を超えるものに加入して,その保険料を支払った場合には,当期分支払保険料の額については,次表に定める区分に応じ,それぞれ次により取り扱うものとする。ただし,これらの保険のうち,最高解約返戻率が70%以下で,かつ,年換算保険料相当額(一の被保険者につき2以上の定期保険等に加入している場合にはそれぞれの年換算保険料相当額の合計額)が30万円以下の保険に係る保険料を支払った場合については,9-3-5の例によるものとする。

(1) 当該事業年度に次表の資産計上期間がある場合には,当期分支払保険料の額のうち,次表の資産計上額の欄に掲げる金額(当期分支払保険料の額に相当する額を限度とする。)は資産に計上し,残額は損金の額に算入する。

(注) 当該事業年度の中途で次表の資産計上期間が終了する場合には,次表の資産計上額については,当期分支払保険料の額を当該事業年度の月数で除して当該事業年度に含まれる資産計上期間の月数(1月未満の端数がある場合には,その端数を切り捨てる。)を乗じて計算した金額により計算する。また,当該事業年度の中途で次表の資産計上額の欄の「保険期間の開始の日から,10年を経過する日」が到来する場合の資産計上額についても,同様とする。

(2) 当該事業年度に次表の資産計上期間がない場合(当該事業年度に次表の取崩期間がある場合を除く。)には,当期分支払保険料の額は,損金の額に算入する。

(3) 当該事業年度に次表の取崩期間がある場合には,当期分支払保険料の額((1)により資産に計上することとなる金額を除く。)を損金の額に算入するとともに,(1)により資産に計上した金額の累積額を取崩期間(当該取崩期間に1月未満の端数がある場合には,その端数を切り上げる。)の経過に応じて均等に取り崩した金額のうち,当該事業年度に対応する金額を損金の額に算入する。

(注)1 「最高解約返戻率」,「当期分支払保険料の額」,「年換算保険料相当額」及び「保険期間」とは,それぞれ次のものをいう。

イ 最高解約返戻率とは,その保険の保険期間を通じて解約返戻率(保険契約時において契約者に示された解約返戻金相当額について,それを受けることとなるまでの間に支払うこととなる保険料の額の合計額で除した割合)が最も高い割合となる期間におけるその割合をいう。

ロ 当期分支払保険料の額とは,その支払った保険料の額のうち当該事業年度に対応する部分の金額をいう。

ハ 年換算保険料相当額とは,その保険の保険料の総額を保険期間の年数で除した金額をいう。

ニ 保険期間とは,保険契約に定められている契約日から満了日までをいい,当該保険期間の開始の日以後1年ごとに区分した各期間で構成されているものとして本文の取扱いを適用する。

2 保険期間が終身である第三分野保険については,保険期間の開始の日から被保険者の年齢が116歳に達する日までを計算上の保険期間とする。

3 表の資産計上期間の欄の「最高解約返戻率となる期間」及び「100分の70を超える期間」並びに取崩期間の欄の「解約返戻金相当額が最も高い金額となる期間」が複数ある場合には,いずれもその最も遅い期間がそれぞれの期間となることに留意する。

4 一定期間分の保険料の額の前払をした場合には,その全額を資産に計上し,資産に計上した金額のうち当該事業年度に対応する部分の金額について,本文の取扱いによることに留意する。

5 本文の取扱いは,保険契約時の契約内容に基づいて適用するのであるが,その契約内容の変更があった場合,保険期間のうち当該変更以後の期間においては,変更後の契約内容に基づいて9-3-6の2の取扱いを適用する。

なお,その契約内容の変更に伴い,責任準備金相当額の過不足の精算を行う場合には,その変更後の契約内容に基づいて計算した資産計上額の累積額と既往の資産計上額の累積額との差額について調整を行うことに留意する。

6 保険金又は給付金の受取人が被保険者又はその遺族である場合であって,役員又は部課長その他特定の使用人(これらの者の親族を含む。)のみを被保険者としているときには,本文の取扱いの適用はなく,9-3-5の(2)の例により,その支払った保険料の額は,当該役員又は使用人に対する給与となる。

解説
(解説全文 文字数:21266文字程度)

(1) 本通達においては,支払保険料の中に相当………

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