物上保証人が主債務者の死亡と同時に債務の代位弁済をした場合(1-1-1(5))

※ 本コンテンツは刊行日時点の情報に基づくものです

<問>

1 子(甲)は,父(乙)を連帯保証人とし,かつ,乙名義の定期預金(3,000万円)を担保としてA銀行O支店より2,800万円を借り入れました。 ただし,借入方法は手形借入方式です。

2 甲が借り入れた資金は,甲が購入した山林(購入代価は3,000万円)の代金の支払いに充てました。

3 甲は,A銀行より借入れに際して,上記の乙名義の定期預金3,000万円を担保として提供するほか,甲がその借入金の弁済期限前に死亡した場合には,乙名義の定期預金と相殺して,甲の死亡と同時にその債務を弁済することを約定する旨の確認書を,甲と乙とで作成連署してA銀行に差し入れていました。

4 その後,不幸にして,甲がその借入金の弁済期限前に死亡してしまいました。

 そこで,A銀行では,上記の確認書に基づいて,乙名義の定期預金と甲に対する貸付金との相殺を行い,その貸付金の弁済を受けました。

 その結果,甲の相続人は,甲の債務は相続せずに済み,甲が購入した山林だけを相続することになりました。

(質疑事項)

上記の場合,甲の死亡を条件として,甲が債務の免除を受けたことになるのではないかと思われますが,この場合の課税関係は次の考え方のうち,どれに該当するかについてご教示ください。

 ① 死亡した甲に対する贈与に該当し,甲に対して贈与税が課税される。したがって,甲の相続人が贈与税の代理申告をする。

 ② 甲の死亡を原因として,経済的利益(債務免除益)が発生することから,甲の相続人が相続により利益を受けたものとみなされて相続税の課税価格にその利益の額が加算される。

 ③ 相続人が債務免除による利益を受けたものとみなされて,甲の相続人に対して贈与税が課税される。

なお,甲の親族図は,次のとおりです。

(全文 文字数:5637文字)

乙は,甲の債務の担保として,乙名義の定期預金を提供するととも………

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