包括全部遺贈により取得した財産を他の者に分与した場合の課税関係(1-1-2(20))
<問>
私の友人Aは独身で両親は既に亡くなっており,相続人は兄弟姉妹の3人です。平成30年1月に亡くなった後,「遺言公正証書」が見つかり,その中で,すべての財産は私に遺贈すると書いてありました。Aは兄弟姉妹と折り合いが悪く,ほとんど接触がありませんでしたので,このような遺言を書いたと思われます。兄弟姉妹は「遺留分の減殺請求」ができませんので,遺言執行者として指定されている私が相続手続きをすることは可能です。ただ,私としては,そのようなことを期待して付き合ってきたわけではありません。
そこで,市の法律相談に行きましたところ,この遺言は「包括遺贈」なので3ヶ月以内に家庭裁判所に放棄の申述をしなければならず,この申述をしなければ遺贈を承認したものとみなされる旨言われましたが,すでに3ヶ月を経過してしまっています。最近,兄弟姉妹からは「遺言無効」の裁判をする等の嫌がらせを受けています。そこで弁護士に相談したところ,相続人と話し合いをして「遺産の分割」をしたらどうかと提案されました。
そこで,相続財産は4,000万円ですが,相続人と話し合いの結果,私と相続人3人が各1,000万円ずつもらうという「遺産分割協議書」を作成した場合の課税関係についてご教示ください。相続財産は「基礎控除」(4,800万円)以下ですので,相続税の申告義務はありません。4人がもらう各1,000万円(合計4,000万円)は相続財産と考えれば良いでしょうか。この場合,課税関係はありません。
そうではなく,相続人がもらう3,000万円(各1,000万円)は私からの「贈与」となることはありませんか。逆に私がもらう1,000万円は相続人からの「贈与」とみなされることはありませんか。
質問の事例のように遺言によって一人の者に対して包括的な遺贈(………
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