遺産分割前の上場株式の配当金の帰属及び譲渡損失と配当所得との損益通算(2-1-5(9))
<問>
【事実関係】
------表は抜粋------
いずれも特定口座取引であり,源泉徴収がされている。また,証券会社からも「特定口座年間取引報告書」が送付されている。
【質問事項】
以下の通り,甲及び乙は所得税の確定申告を行う予定です。国税庁HP(タックスアンサー)№1376に「未分割遺産から生ずる不動産所得」及び「最高裁判決平成17.09.08」を根拠としております。遺産分割協議前と後で配当所得の按分額が異なりますが,このような考え方でよろしいでしょうか。按分方法により各人の譲渡損失の繰越控除額,源泉税の還付金額が異なるため質問いたします。
<甲の確定申告>
① A株式の売却 700,000円-1,000,000円=△300,000円 △300,000円×2/3=△200,000円(譲渡損)
② B株式の売却 900,000円-1,500,000=△600,000円 △600,000円×2/3=△400,000円(譲渡損)
③ A株式の配当金 支払確定日が平成26年1月であり,遺産分割協議が成立前であるため法定相続分で按分する。 配当金30,000円×1/2=15,000円 源泉税6,094×1/2=3,047円
④ B株式の配当金 支払確定日が平成26年5月であり,遺産分割協議成立後であるため分割割合で按分する。 配当金60,000円×2/3=40,000円 源泉税12,189×2/3=8,126円
⑤ 株式売却による譲渡損失及び配当所得の損益通算 A株式譲渡損△200,000円+B株式譲渡損△400,000円=△600,000円 A株式配当金15,000円+B株式配当金40,000円=55,000円 譲渡損失の繰越控除の特例額=△600,000円+55,000円=△545,000円 配当金の源泉徴収税額の還付額=3,047円+8,126円=11,173円
<乙の確定申告>
① A株式の売却 700,000円-1,000,000円=△300,000円 △300,000円×1/3=△100,000円(譲渡損)
② B株式の売却 900,000円-1,500,000=△600,000円 △600,000円×1/3=△200,000円(譲渡損)
③ A株式の配当金 支払確定日が平成26年1月であり,遺産分割協議が成立前であるため 法定相続分で按分する。 配当金30,000円×1/2=15,000円 源泉税6,094×1/2=3,047円
④ B株式の配当金 支払確定日が平成26年5月であり,遺産分割協議成立後であるため 分割割合で按分する。 配当金60,000円×1/3=20,000円 源泉税12,189×1/3=4,063円
⑤ 株式売却による譲渡損失及び配当所得の損益通算 A株式譲渡損△100,000円+B株式譲渡損△200,000円=△300,000円 A株式配当金15,000円+B株式配当金40,000円=55,000円 譲渡損失の繰越控除の特例額=△300,000円+55,000円=△245,000円 配当金の源泉徴収税額の還付額=3,047円+4,063円=7,110円
未分割財産である賃貸不動産に係る賃貸料の帰属関係について最高………
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