保証債務を履行するための資産の譲渡の特例と求償権の行使不能の判定(2-2-2(3))

※ 本コンテンツは刊行日時点の情報に基づくものです

<問>

A社(不動産賃貸業)は昨年11月に民事再生手続きの申立てをして,現在その手続開始決定を受けて手続きが継続中です。

A社の監査役であるB(A社社長の母)が所有している賃貸用土地・建物がA社の借入れの担保に供されております。そこで,Bは債権者の要請によりその土地・建物を2億円で売却しA社の借入れの返済に充当することとなりました。

なお,A社とBの間には次のような事実関係があます。

1 BはA社の借入金の保証人であり担保提供者です。

2 A社には,Bに対し4億円の貸付金が計上されています。

これは,すでに亡くなられた先代社長(Bの配偶者)に対する貸付金を相続により名義変更したものです。

今回の民事再生では,売却代金2億円を差し引いた残額は,切り捨てられる予定です。

3 昨年12月にBが死去し,Bの相続人が上記不動産を相続によって取得した後に売却する予定です。

(質問1)

以上のような場合,保証債務を履行するために資産を譲渡した場合の特例の適用の可否を判断したいのですが,求償権がA社よりの借入金と相殺されてしまい,適用はできないと考えますがそれでよいのでしょうか。

(質問2)

A社の民事再生手続きにおいて,A社のBに対する貸付金4億円全額を切り捨て(放棄),B(Bの相続人)のA社からの借入金が0となったところで不動産を売却しその売却代金を直接債権者に返済する場合には,A社に対する求償権が発生し,その求償権の行使が不可能となって上記特例の適用が可能になると思われますが,いかがなものでしょうか。

(全文 文字数:1982文字)

(質問1)については,意見のとおりと考えます。

………

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