ちょっと役立つワインの小話 第5回 ワインの味を決めるグラスの形の話

( 29頁)

今回はワイングラスの形についてお話をします。

ワイングラスには実に色々な形のものがあります。レストランやワインショップなどには様々な大きさや形をしたワイングラスが並んでいます。

何故これだけ色々なタイプのグラスがあるのでしょう。勿論,グラスとしての外観の美しさや素材の良さなども大事なのですが,ワイングラスの場合はその形状や大きさがワインそのものの香りや味わいをより高いレベルで引き出すための重要な機能を担っているのです。

ご承知の通り,ワイングラスは「ボウル」「ステム(脚)」「台座」で構成されていますが,このうち“引き出し機能”の決め手となるのが「ボウル」の姿なのです。ブドウの品種やワインのタイプに応じて,ボウルを構成する3つの要素「形状・サイズ・口径」それぞれが最適な状態で組み合わされグラスが形成されているので,そうして作られた最適なグラスを選んでワインを飲んだ方がよいのです。

例えば,華やかな香りが特徴のピノ・ノワールのワインを楽しむ場合には,“ブルゴーニュ型”と言われるグラスがピッタリです。ボウルの横幅が確保された形状でワインが空気に触れる面積が広いので香りが立ち易く,一方で飲み口が多少絞...