参考資料 企業の分類に応じた繰延税金資産の回収可能性に関する取扱いの新旧比較

(「企業会計基準適用指針公開草案第54号『繰延税金資金の回収可能性に関する適用指針(案)』の公表」・別紙3,平成27年5月26日公表)
( 04頁)

全般的な事項及び各分類における主な取扱いを監査委員会報告第66号と比較すると,次のとおりである。

(財務会計基準機構・企業会計基準委員会公表物より転載)

【全般的な事項】

監査委員会報告第66号における取扱い 本公開草案における取扱い
・将来年度の会社の収益力を客観的に判断することは実務上困難な場合が多い。そこで,会社の過去の業績等の状況を主たる判断基準として,将来年度の課税所得の見積額による繰延税金資産の回収可能性を判断する場合の指針を示す。
・過去の業績等に基づいて,将来年度の課税所得の見積額による繰延税金資産の回収可能性を判断する指針としては,以下の例示区分に応じた取扱いによるものとする。ただし,それぞれの例示区分に直接該当しない場合であっても,それぞれの例示区分の趣旨を斟酌し,会社の実態に応じて,それぞれの例示区分に準じた判断を行う必要がある。
・収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得等に基づいて繰延税金資産の回収可能性を判断する際に,(分類1)から(分類5)に係る分類の要件に基づき企業を分類し,当該分類に応じて,回収が見込まれる繰延税金資産の計上額を決定する。
・(分類1)から(分類5)に係る分類の要件をいずれも満たさない企業は,過去の課税所得又は税務上の欠損金の推移,当期の課税所得又は税務上の欠損金の見込み,将来の一時差異等加減算前課税所得の見込み等を総合的に勘案し,各分類の要件からの乖離度合いが最も小さいと判断されるものに分類する。

【分類1】

監査委員会報告第66号における取扱い本公開草案における取扱い期末における将来減算一時差異を十分に上回る課税所得を毎期計上している会社等期末における将来減算一時差異を十分に上回る課税所得を毎期(当期及びおおむね過去3年以上)計上している会社等で,その経営環境に著しい変化がない場合には,通常,当該会社が,将来においても一定水準の課税所得を発生させることが可能であると予測できる。したがって,そのような会社については,一般的に,繰延税金資産の全額について,その回収可能性があると判断できる。なお,この場合には,スケジューリングが不能な将来減算一時差異についても,将来スケジューリングが可能となった時点で課税所得が発生する蓋然性が高いため,当該将来減算一時差異に係る繰延税金資産については回収可能性があると判断できるものとする。分類の要件次の要...