在庫をチャンスに!~在庫流動化の現場実務の観点から~ 第2回 戦略的実地棚卸のすすめ ~小売業(チェーンストア)の事例から~
株式会社エイジス 取締役 新規事業開発室長 近江 元
株式会社エイジス 新規事業開発室 シニアマネジャー 米山 英志
株式会社リバリュー 代表取締役社長 向笠 元
株式会社ドリームインキュベータ 経営管理グループマネジャー/公認会計士 小山 智士
株式会社ドリームインキュベータ ビジネスプロデューサー/公認会計士 矢代 枝理子
前回( No.3209 )は,在庫を適切な価格・タイミングで販売する仕組みについて解説した。一方で,そもそも在庫の実態をどのように把握し,どのように整理すべきかを悩んでいる企業も多い。在庫の実態をとらえる方法には,実地棚卸があるが,実地棚卸は決算日に集中して実施されるため,人員と時間の制約が大きく,効果的に活用できていない会社が多いのが現状だ。
そこで今回は,棚卸代行のトップランナーであり,リバリューの事業パートナーである株式会社エイジスとともに,チェーンストアの売場改善ケースを交えつつ,戦略的な実地棚卸とは何かについてご説明したい。
実地棚卸から分かる3つの経営課題
実地棚卸というと,「在庫数量のカウントや商品の状況(陳腐化/劣化等)確認」とイメージしがちだが,それは,最低限の作業として認識しているに過ぎない。戦略的な視点・意識を持てば,実地棚卸を通じて経営にとって有用な情報・示唆を得ることが出来る。
今回は,実地棚卸から見えてくる主な3つの経営課題,①見える化,②標準化,③責任範囲の明確化について,管理部門が実地棚卸に立ち会う際に持つべき視点を交えながら順に解説したい。
《課題①:見える化》
定量...
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