いまさらきけない会計基準と実務のポイント 第1回 資産除去債務と税効果処理
新日本有限責任監査法人 公認会計士 安福 健也
連載開始にあたって
近年適用となった会計基準や実務指針などの中には,その内容の理解が必ずしも平易ではなく,会計処理自体も複雑なものがあります。また,会計基準の新規適用当初は,関連する解説書が数多く発行されていた場合でも,適用後数年が経過して初めて該当する事象が発生する会社もあります。経理担当者が当時から交代しているような場合には,十分な情報もなく,誤った会計処理・表示または注記開示を行った結果,訂正報告書を発行しているケースも見られます。
過年度に適用済みの会計基準や様々な実務対応に関して「いまさらきけない,でも知りたい」。本シリーズでは,そんな経理担当の方々のニーズに応えられるよう,「いまさらきけない会計基準等と実務のポイント」を,簡単な数値例を使ってわかりやすく解説していきます。
1.はじめに
第1回は,「資産除去債務と税効果処理」を取り上げます。
「資産除去債務に関する会計基準」は,平成22年4月1日以後開始する事業年度から原則適用され,5年が経過しましたが,適用当初以降,適切に対応できているでしょうか。ともすれば,税効果会計との関係の理解が十分でなかったり,子会社含め会計部門の人員が不足...
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