書評 飯塚 幸子著「初めて学ぶ連結会計の基礎」

(税務研究会出版局刊/本体1,800円+税)

カゴメ株式会社 経営企画本部 財務経理部  森島孝男

( 25頁)

○本書全般の特徴

本書の特徴は,連結会計の基礎について,優しく語りかけるような解説とふんだんな図解・設例によって構成される。「連結会計とは何か」「具体的な会計処理はどのように行うか」といった観点で,これから初めて連結実務に携わる方にとって,連結会計を体系的に学び本質的な理解の助けとなる良書である。

本書の構成は,「第1章 連結会計の基礎知識」,「第2章 連結会計の各種論点」,「第3章 総まとめ問題」となっている。以下,それぞれの内容と特徴を述べる。

○「第1章 連結会計の基礎知識」

第1章では,連結会計の目的,連結財務諸表の必要性・作成の流れから,会計処理の主要項目である連結消去・修正仕訳,開始仕訳を解説している。項目ごとに図解と設例が示されており,文章だけの説明にとどまる項目はないことから理解がはかどる。さらに,各項目の最後に確認問題が設定されており,自分の理解度を確認することができる。

○「第2章 連結会計の各種論点」

第2章では,連結消去・修正仕訳の各論点である資本連結,内部勘定の消去,未実現損益の消去,持分法,在外会社の換算処理を解説している。解説は基本的な項目が中心であるが,中には子会社...