知っておきたい! IFRS解釈指針委員会の役割と活動

IFRS財団アジア・オセアニアオフィス ディレクター 竹村 光広

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はじめに

日本では,2009年度からIFRSの任意適用が認められており,2015年5月末時点で既に85の上場企業がIFRSを適用しているか,又は適用を予定しています。また,世界では130を超える国又は地域で全ての又は一部の上場企業に対してIFRSが強制適用又は任意適用されています。このような状況を考えると,IASBが作成したIFRSの解釈を取り扱うIFRS解釈指針委員会の役割はたいへん重要です。本稿では,IFRS財団のIFRS解釈指針委員会について説明します。なお,文中の意見に係る部分は筆者の私見であることを申し添えます。

IFRS解釈指針委員会とは

IFRS解釈指針委員会は,国際財務報告基準(IFRS)の解釈を行うIFRS財団の機関です。IFRS解釈指針委員会は,現行のIFRSに明示されていない財務報告上の論点に関して適時にガイダンスを出したり,IASBからの依頼に基づいてその他の職務を請け負うことを目的としています。IFRS解釈指針委員会は,IASBの共同作業パートナーであり,IFRS適用上求められるガイダンスを提供する役割を担っています。IASBが作成するIFRSは原則主義と言われてい...