ちょっと役立つワインの小話 第13回 様々なタイプの"泡"ワインのお話(その1)

日本ソムリエ協会 ワインエキスパート/ワイン検定講師 佐久間 裕輝(米国CPA)

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連日厳しい暑さが続き,よく冷やした泡のワインが大活躍ではないでしょうか。そこで,今回と次回で様々なタイプのスパークリング・ワインのお話をします。

今では,スパークリング・ワインのバリエーションも広がり,ワインの販売店やレストランに行くと,スペインのカバ,イタリアのスプマンテ,ドイツのゼクトなど様々なものが揃っていますが,何と言っても代表格は,フランスのシャンパンとなるでしょう。

まず,フランスのスパークリング・ワインが全てシャンパンと呼ばれる訳ではなく,シャンパーニュ地方で生産された特定のブドウを用い,製造工程における厳格な要件を充足しなければシャンパンを名乗ることができません。因みに,フランスにおけるシャンパン以外のスパークリング・ワインには「ヴァン・ムスー」や「クレマン」などがあります。

そして,この代表格たるシャンパンの特徴を一つ挙げるとすると,"ワインをブレンドする"ということでしょう。

シャンパンは一般的に「品種・畑・収穫年」の異なる複数のワイン(30種~50種)をブレンドして造られます。各生産者は門外不出の独自のレシピによって,ワインの調合(アッサンブラージュといいます)を行い,自...