ちょっと役立つワインの小話 第17回 ワインの栓で香りが変わる品種のお話

日本ソムリエ協会 ワインエキスパート/ワイン検定講師 佐久間 裕輝(米国CPA)

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ワインの栓と言えば何と言ってもコルクですよね。コルクは外気を遮断し,瓶内におけるワインの熟成をもたらす非常に大事な役割を担っていて,その昔,ガラス瓶とコルクの発明は,ワインの普及に非常に大きなきっかけとなったと言われています。

コルクはコルク樫の樹皮からつくられ,ポルトガルが世界第一位の産出国だそうです。しかしながら,最近は環境問題を背景に脱コルクの動きが多く見受けられ,特にニュージーランドではこの傾向が際立っており,同国産のほぼ9割程度のワインが,コルクではなくスクリュー・キャップを使用している様です。

では,ワインにとってはどちらが本当に適しているのでしょうか。第三回のホスト・ティスティングのお話の中で触れましたが,コルク栓がワインの品質に与えるリスクとして「ブショネ(コルク・テイント)」があります。これはコルクが自然の植物であるが故にたまたま存在していた悪性の菌が化学変化によるワインの品質に影響を与えるものです。因みに全世界のワイン生産量の3~7%がブショネであると言われているので,こうしたリスクの無い「スクリュー・キャップ」の方に軍配が上がるのでしょうか?

さて,コルクか脱コルクなの...