Q&Aコーナー 気になる論点(148) IASB概念フレームワークの公開草案(14)
早稲田大学大学院 会計研究科教授 秋葉 賢一
国際会計基準審議会(IASB)が2015年5月28日に公表した公開草案(ED)「財務報告に関する概念フレームワーク」(概念ED)に対し,企業会計基準委員会(ASBJ)は,2015年11月30日にコメントレターを提出しています。当期純利益(profit or loss)に関して,ASBJは,どのようなコメントをしているのでしょうか。 |
A
ASBJのコメントレターでは,概念EDが当期純利益を定義していないという提案には同意しないとしています。概念EDにおける損益計算書の目的を踏まえ,当期純利益は,「企業が実施した事業活動によって,自らの経済的資源に対して得たリターンを描写するものである」ことを提案しています。
<解説>
当期純利益の定義(1)‐概念EDの提案
概念EDでは,より効率的効果的に,財務業績(financial performance)に関する情報をコミュニケーションするために,財務業績計算書における収益(income)と費用(expense)は,次のいずれかに分類されると提案していました(7.19項)。
(1) 損益計算書(これには,当期純利益に関する小計又は合計が含まれる)
(2) その他...
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