中国子会社の見える化 第12回(最終回)中国子会社の見える化の実践例と落とし穴
有限責任あずさ監査法人 公認会計士 増田 進
公認会計士 紫垣 昌利
米国公認会計士 中村 祥子
第11回では「中国子会社の見える化」の実践例の前提についてみてきましたが,最終回では具体的な実践例と実践時の落とし穴についてみていきたいと思います。
1.ITを活用した「見える化」の手法
「中国子会社の見える化」を進めるにあたっては,現地駐在員の増員や,出張ベースでカバーするにしてもコストがかかるため,親会社の管理担当者が日本にいながら中国子会社をモニタリングしたい,という相談をよく受けます。このモニタリングの手法としては,以下のものがよく行われています。
・月次決算数値の推移のチェック
・現地の銀行残高確認状と預金残高の照合
・滞留債権や滞留在庫の推移のチェック
・原価差異分析(特に不利差異のモニタリング)
さらに上記に関連して,決算数値のタイムリーな取得のために「現地の会計システムの情報を日本でも見られないか?」という相談を受けます。これについては,例えば第11回でも取り上げた中国の一般的な会計システムである「用友」では,追加モジュールとしてインターネット経由で決算書を見られる機能を提供していますし,「用友」の導入をサポートする外部システム会社でも類似のツールを販売しています。さらに最近では日系...
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