ミニファイル オペレーティング・リース

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国際会計基準審議会(IASB)が1月13日付で公表した新基準,IFRS第16号「リース」では,リース取引をファイナンス・リースとオペレーティング・リースに区分せず,会計処理に関しては,オペレーティング・リースも含めて全てのリース取引が原則オンバランスとされた。

現行,日本のリース会計基準では,リース取引をファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分類している。①中途解約不能,②フルペイアウトの要件をともに満たせば,ファイナンス・リース,どちらかを満たさなければオペレーティング・リースに分類される( リース会計基準5,6項 )。オペレーティング・リースは会計上,費用処理されることから,仮に,日本基準にIFRS第16号のような会計処理が導入された場合,実務が大きく変わる可能性がある。

また,金額的な影響については,IFRS第16号の開発段階において,リース事業協会がIASB・FASBに提出した改訂公開草案に対するコメント内で示した調査結果が参考になる。2013年の集計値になるが,東証一部上場企業の財務諸表に注記されているオペレーティング・リースに係る未経過リース料は17兆円で,当該企業の総資産の約1%ということだった。IASBも審議の過程で,影響分析を行っており,IFRSおよび米国基準採用企業約3万社の未経過リース料は約2.9兆米ドルに上る。