―会計監査の信頼性確保のために―「会計監査の在り方に関する懇談会」提言

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(金融庁・平成28年3月8日公表物より転載)

会計監査の在り方に関する懇談会メンバー

(平成28年3月8日現在)

氏 名 現   職
座  長 脇田 良一 名古屋経済大学大学院教授
明治学院大学名誉教授
メンバー 引頭 麻実 ㈱大和総研常務執行役員
倉貫 浩一 読売新聞東京本社論説委員
斎藤 静樹 東京大学名誉教授
関  哲夫 ㈱みずほフィナンシャルグループ取締役
初川 浩司 公認会計士
八田 進二 青山学院大学大学院教授
森  公高 日本公認会計士協会会長

〔50音順,敬称略〕

Ⅰ.はじめに

資本市場の信頼性を確保し,成長資金が供給されるようにしていくためには,企業が財務情報を適正に開示することが必要である。また,企業が経営戦略を策定し,持続的な成長・中長期的な企業価値の向上を目指すうえでも,自らの財務状況を的確に把握し,株主・投資家等と共有することが不可欠である。

会計監査は,このような企業による財務状況の的確な把握と適正な開示を確保し,その適正・円滑な経済活動を支え,これを日本経済の持続的な成長につなげていく前提となる極めて重要なインフラである。

このため,公認会計士法第1条においては,「公認会計士は,監査及び会計の専門家として,独立...