リース取引の会計実務,税務実務とIFRS導入の影響 第11回 IFRS 第16号の主要論点 前編
有限責任監査法人トーマツ 井上雅彦
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本連載では,わが国の現行会計実務及び税務実務を振り返りながら,そのポイントや特徴を確認していく。また,IFRS第16号「リース」で明らかになった方向性を踏まえ,日本の現行実務に及ぼす影響を検討する。
第11回は,IFRS第16号「リース」の主要論点第1回(上編)を取り扱う。文中意見にわたる部分は個人の見解で,所属する法人の見解とは関係がない。
国際会計基準審議会(IASB)は,米国財務会計基準審議会(FASB)と共同での検討を経て,2016年1月13日にIFRS第16号「リース」(以下「IFRS16」)を公表した。IFRS16は,IAS17号「リース」を中心とするリース関連の基準書および解釈指針(以下「現行基準」)を廃止しリース関連の基準を全面的に改訂している。IFRS16は,リース会計に関する包括的な基準書であり,2019年1月1日以降開始する事業年度から発効する。
ただし,IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」を適用している場合に限りIFRS16の早期適用が認められる。
IFRS 第16号「リース」の主たるポイントと影響
1.現行基準の問題点とそれに対するIFRS16における対応
現行...
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