ハーフタイム AI時代の会計職

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2013年のドイツではものづくり現場のスマート化・デジタル化(インダストリー4.0)が,2014年のアメリカでは幅広い産業分野でのインダストリアル・インターネット・コンソーシアムが始まった。わが国でも今年から産官学共同のAI技術開発がはじまっている。

少子高齢化・人口減少や技術者不足への備えになると期待される一方,AIやロボットなどデジタル技術の能力が過大に予測されてホワイトカラーが失職する不安も広がっている。

経済同友会は2016年8月,『新産業革命による労働市場のパラダイムシフトへの対応』と題する報告を公表した。注目されるのはAIやロボットで代替される可能性の高い職種・低い職種一覧表で,日本国内の601の職種について定量分析データを用いて代替できる確率を計算している。ざっとみて疑問に思われたところは,いわゆる知的専門職のうち,公認会計士は代替可能性が"高い"職種に分類されているところ。その理由として「公認会計士,弁理士等,複雑で高度な業務であっても,コンピュータ化が可能になる」という。

経理事務はすでにコンピュータ化が進んでいるが,会計監査までAIやロボットがやれるとは考えにくい。もちろ...