Q&Aコーナー 気になる論点(177) IFRS財団の定款の改正

‐IASBボードメンバーは14名に‐

早稲田大学大学院 会計研究科教授 秋葉 賢一

( 26頁)

国際財務報告基準財団(IFRS財団)の評議員会は,2016年11月30日にIFRS財団の定款の改正を公表しています。これによれば,IASBボードメンバーの数を16名から14名に削減することになりましたが,なぜでしょうか。

A:

IASBボードメンバーは,2009年の定款レビューにより,任務の拡大や多様性の観点から,14名から16名へ増員されました。しかし,その後の基準設定の状況の変化や2014年7月以降,14名のメンバーで運営されていることを踏まえ,IASBを小さくする方が効果的であるとして,今般,14名に削減されています。

<解説>

IFRS財団の定款の改正(1)‐概要

IFRS財団の定款17条(c)及び(d)により,評議員会は,5年ごとにIFRS財団の体制とその有効性をレビューする必要があります。今回のレビューで5回目になり,この結果,[図表1]の公表物を公表しています。

[図表1] IFRS財団によるレビューの状況

時期公表物2015年7月意見募集(RFV)「体制とその有効性に関する評議員会のレビュー:レビューにあたっての論点」2016年6月公開草案(ED)「体制とその有効性に関する評議員会の...