シリーズ「学生と語る会計基準」 西川教授のポイントレッスン! 第20回 負債と資本
慶應義塾大学商学部 客員教授 西川郁生
木村太一君 今回のテーマは何でしょうか?
教授 少し概念的な話に戻って負債と資本にしましょう。B/Sの左側は資産だけなのに対し,右側には負債と資本があるのかということですね。2区分は正しいのか,境目はどうあるべきかということがずっと論じられてきました。負債と資本のあり方について,IASBでは概念フレームワーク(FW)プロジェクトやその関連プロジェクトでFASBとともに議論してきました。ただ,具体的に何か枠組みが変わったということはありませんでした。
負債と資本の特徴と定義
教授 負債と資本は一般にはどのようなものと考えられますか。負債の特徴から始めましょう。
木村君 負債は,債務とか義務と呼ばれるもので,金銭債務が典型です。前受金などは代金(の一部)を受取ることで双方未履行でなくなった契約に関する,履行義務を表すものと思います。また,契約によらない引当金のような実質的な債務も含んでいたりします。
教授 では資本の特徴はどうでしょう。
木村君 株主による払込資本と留保利益から構成されるというのが特徴だと思います。
教授 元本と果実の合計ですね。ただ,元本と果実を厳格に区別し続けることは求められません。...
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