厳選!現場からの緊急相談Q&A 第44回 「複合金融商品」

有限責任監査法人トーマツ 公認会計士 嶋崎 正康

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経理部員 :当社では,先般,業務提携先企業より転換社債型新株予約権付社債を引き受けました。また,昨今の低金利環境下のため,現在,運用利回りの良い期限前償還条項付債券の購入を検討しています。そのため,複合金融商品に関する会計上の留意事項を教えて頂けますか?
会計士 :複合金融商品は,契約の一方の当事者の払込資本を増加させる可能性のある部分を含む複合金融商品と,契約の一方の当事者の払込資本を増加させる可能性のある部分を含まない複合金融商品(その他の複合金融商品)に分類されます。先般,貴社が引き受けた転換社債型新株予約権付社債は前者に,購入を検討している期限前償還条項付債券は後者に該当します。そこで,今回はこれら複合金融商品の会計上の留意事項について説明をしていきます。
(文中の意見にわたる部分は,筆者の私見であり,筆者の所属する法人の見解ではないことをあらかじめお断りします。)

Q1 転換社債型新株予約権付社債の会計処理

転換社債型新株予約権付社債の会計処理について教えてください。なお,当社は,保有目的をその他有価証券としていますが,満期保有目的の債券として保有することも可能か否かについて教えてくださ...