上場会社の経理担当者が知っておくべきPPA実務 第6回 無形資産の評価手法:超過収益法,ロイヤルティ免除法
株式会社Stand by C 公認会計士・税理士 松本 久幸
1.無形資産の評価手法
前回( 本誌No.3321 )は,無形資産の測定プロセスの概要を解説した。第6回は,無形資産測定の際の評価手法について詳解する。
PPAの際の無形資産評価における評価手法には,以下のようなものがある(日本公認会計士協会 経営研究調査会研究報告第57号より)。
①コスト・アプローチにおける評価手法
・複製原価法
複製原価法とは,現時点で,評価対象無形資産と全く同じ複製を製作するコストに基づいて無形資産の価値を評価する方法である。
・再調達原価法
再調達原価法とは,現時点で,評価対象無形資産と全く同じ効用を有する無形資産を製作するコストに基づいて無形資産の価値を評価する方法である。
②マーケット・アプローチにおける評価手法
・売買取引比較法
売買取引比較法は,無形資産の価値を当該無形資産と類似の無形資産の実際の売買取引に基づいて評価する方法である。
・利益差分比較法
利益差分比較法は,複数の類似事業の中から,一方は無形資産を使用している事業を他方は無形資産を使用していない事業を選定し,無形資産を使って事業をしている企業が達成した利益と,無形資産を使用しないで事業をしている企業の利益の差額に資本...
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