在外子会社の連結 第4回 資本連結(支配獲得後の仕訳)

株式会社ラウレア 代表取締役 公認会計士 飯塚 幸子

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はじめに

皆さんこんにちは! 公認会計士の飯塚幸子です。「在外子会社の連結」第4回の講義を始めます。

前回は在外子会社を連結する場合の支配獲得時の仕訳を確認しました。今回は,支配獲得後に必要となる連結仕訳を見ていきたいと思います。

それではさっそくはじめていきましょう。

1.100%在外子会社の設立の場合

まずは,親会社が100%在外子会社を設立した場合の支配獲得後の処理を考えてみましょう。

■例題1■当社は前期末に1,000現地通貨(100,000円)を出資して子会社を設立し,在外子会社の資本金は1,000現地通貨でした。当期末の貸借対照表は<資料1>のとおりです。これを円に換算するとともに当期に必要となる連結仕訳(開始仕訳を含む)を示しなさい。なお,利益剰余金は全額当期純利益とします。また,換算に用いる為替レートは以下のとおりです。・前期末レート @100円(取得日レート)・当期末レート @110円・期中平均レート @105円※為替相場は1現地通貨あたりの円換算額<資料1>在外子会社の個別貸借対照表(現地通貨)個別貸借対照表(現地通貨)資産1,700負債500資本金1,000利益剰余金200資...