本誌が選ぶ 2017年"経財"5大ニュース

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この1年も会計や開示などの分野で様々な動きがあった。本誌は2017年を振り返り,今年を象徴する5大ニュースを精選した。

この1年,企業会計の面で,制度上も実務上も最も注目されたのが収益認識基準の開発動向だった。従来の「実現主義」に基づく我が国の実務慣行に変更を加えようとする試みは,すべての企業に大きな影響を与えうる企業会計基準委員会(ASBJ)史上最大の取り組みともいわれる。

海外で作られ英語で書かれた基準の取り込みは,訳語一つにも注文がつく難しい作業であり,当初から険しい道のりが予想されていた。本格的な取り組みが始まってから早2年半,その間つねに関係者からの意見反映や協議の繰り返しを行ってきたASBJの姿に,強い政治的な調整役としての機能が浮き彫りになった1年でもあった。

今月中旬には税制改正大綱の公表によって税務における新収益認識基準対応の道筋が見えてきた。一方,時間の面ですでに大詰めの段階であろう会計基準作りのゴールは見えているだろうか。公開草案に対する意見はまだ多く,企業からの注文には容易にさばけないものもあるようだ。いずれにしても,年が明ければ3月末までの期限はいよいよ迫る。

引き続...