ミニファイル 税制改正と返品調整引当金

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出版業や医薬品製造業などが,翌期以降に返品される可能性がある商品を販売する場合,返品される商品の利益部分を見積もり「返品調整引当金」を計上する会計処理が実務でなされている( No.3324・45頁 )。収益認識基準案では引当金計上が認められなくなり,返品が見込まれる商品の対価を負債として計上し,負債決済時に商品を回収する権利を資産として計上する必要がある。

この返品調整引当金は税務上も論点となる。12月14日に公表された「平成30年度税制改正大綱」では基準案への対応が図られており,「返品調整引当金は,廃止する」と明記されている。

現行の税務上では,出版業や医薬品製造業など常に一定の返品が予想される事業...