在外子会社の連結 第9回 連結キャッシュ・フロー計算書の作成(原則法)

株式会社ラウレア代表取締役 公認会計士 飯塚幸子

( 20頁)

はじめに

皆さんこんにちは! 公認会計士の飯塚幸子です。「在外子会社の連結」第9回の講義を始めます。

前回は,在外子会社の個別キャッシュ・フロー計算書の作成方法を確認しました。今回は,連結キャッシュ・フロー計算書を作成する上での手順をみていきましょう。

1.連結キャッシュ・フロー計算書作成の流れ

前回も確認したとおり,連結キャッシュ・フロー計算書の作成方法として,原則法と簡便法という二つの方法があります。原則法とは,まず個別キャッシュ・フロー計算書を合算し,その後,グループ内部におけるキャッシュ・フロー内部取引を相殺消去して連結キャッシュ・フロー計算書を作成する方法です。簡便法とは,連結貸借対照表の前期と当期の差額と当期の連結損益計算書に基づいて,連結キャッシュ・フロー計算書を作成する方法です。どちらの方法でも作成される連結キャッシュ・フロー計算書は同じものとなります。まずは,原則法での連結キャッシュ・フロー計算書の作成方法を確認しておきましょう。

2.原則法による連結キャッシュ・フロー計算書の作成

■例題1■当社はかねてより,在外子会社(議決権80%保有)を設立して連結しています。親会社および在...