Q&Aコーナー 気になる論点(217) IASB概念フレームワークの改正(6)
早稲田大学大学院 会計研究科教授 秋葉 賢一
国際会計基準審議会(IASB)が2018年3月29日に改正した「財務報告に関する概念フレームワーク」(2018年概念フレームワーク)では,その他の包括利益(OCI)とした項目をリサイクリング ① することとしているのでしょうか。 |
A
2018年概念フレームワークでは,原則としてリサイクリングすることとしていますが,それが有用な情報を提供しない場合,IASBは,基準開発の際に,リサイクリングしないことを決定する場合があるとしています。ただし,それに関する具体的なガイダンスは含まれていません。
<解説>
当期純利益(1)‐表示
2018年概念フレームワークでは,第7章「表示と開示」において,財務諸表における情報の効果的なコミュニケーションの1つとして,類似の項目をグループ化し異なる項目を区分することにより情報を分類することが必要であるとしています(7.2項)。
分類(classification)とは,資産・負債,資本,収益・費用を,表示や開示の目的において共通した特徴に基づいて区分することとしています。そうした特徴には,項目の性質,事業活動の中での役割(機能)及びどのように測定されるかが含まれますが,こ...
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