ミニファイル 会計基礎教育の歴史

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日本の会計教育の開花は明治時代にさかのぼる。日本公認会計士協会が本年3月に公表した「会計基礎教育に関する実態等の調査報告書」によると,明治維新前後,国家の西洋化を目指して日本に西洋式の会計技術(複式簿記)が導入された。やがて銀行をはじめとする民間企業で西洋式会計が実践されると,簿記を教える民間学校が増加。国家的にも中等教育課程に当たる甲種商業学校が設置され,1910年に「甲種商業学校簿記算術教授要目」という簿記会計のカリキュラムが確立。簿記教育が実践され,日本における近代的な会計教育制度が成立したとされる。

大正時代以降,小学校では商業の盛んな地域以外で会計基礎教育は行われず,主に商業学校を中心...