Q&Aコーナー 気になる論点(223) 負債と資本の区分(4)
早稲田大学大学院 会計研究科教授 秋葉 賢一
Q 国際会計基準審議会(IASB)が2018年6月に公表したディスカッション・ペーパー(DP)「資本の特徴を有する金融商品」(FICE DP)では,2018年3月改正の「財務報告に関する概念フレームワーク」(2018年概念フレームワーク)で示していたように,資本全体は直接的には測定しないものの,資本の一部を直接的に測定することを提案しているのでしょうか。 |
A
はい。FICE DPでは,普通株式に係る包括利益を残余として算定するために,デリバティブ持分金融商品を直接的に測定し,当該持分金融商品に係る包括利益を算定することなどを検討しています。
<解説>
資本の測定(1)‐2013年DPの提案
2013年7月公表のDP「財務報告に関する概念フレームワークの見直し」(2013年DP)では,有用な情報を提供するために,持分請求権の測定値を見直し,その結果生じる異なるクラスの持分請求権の間での再配分を,当期純利益を通じてではなく,資本変動計算書(statement of changes in equity)内で「富の移転」として報告することを提案していました ① 。
2013年DPに対する多くの回答者は,資本変...
- 経営財務データベースで続きを読む
-
無料 2週間のお試しはこちら
すぐに使えるIDをメールでお送りします