図解と事例で学ぶ!収益認識基準 第3回:売上の単位
公認会計士・税理士 内田正剛
1.収益認識と5つのステップの復習
今回は,ステップ2の「義務を特定する」を解説していきますが,今回も連載第1回( No.3372 )で解説した「【図1】収益認識と5つのステップ」を眺めてから,第3回を読み進めて行きましょう。
【図1】収益認識と5つのステップ
2.別個の約束を把握する
(1)別個の約束ってなに?
①約束の特徴を調べる
売主は,買主と結ぶ契約で「商品Aを△円で引き渡す」「サービスBを○円で提供する」という約束(以下,「約束」とします)を取り決めますが,売上の会計処理を決めるにあたっては,それぞれの約束が他の約束とどのような関係にあるかを調べていきます。この際に「別個の約束か?」というフィルターを通していきます。
②別個とは?
「別個」とは,「他と切り離された別のもの」「一つ一つ分離された別のもの」という意味です。例えば,1つの契約に約束Aと約束Bがあるとします。仮に約束Aを実行できなかったとしたら,約束Bも実行できない場合は,「約束A」と「約束B」は分けて考えることができないのです。このような場合,約束Aと約束Bは「別個のものではない」と評価します。「別個のものか?」のフィルターは,全てこ...
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