企業は将来にわたり事業活動を継続するものと仮定されており，これを「継続企業の前提」（GC：Going Concern）という。GCに重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在する場合で，当該事象または状況を解消し，または改善するための対応をしてもなおGCに関する重要な不確実性が認められるときは，その旨およびその内容に関する注記（GC注記）が必要となる。

GC注記が必要な状況には，売上高の著しい減少，継続的な営業損失の発生または営業キャッシュ・フローのマイナス，債務超過などがある。本誌が2017年４月期～2018年３月期の上場3,504社（日本基準）の有価証券報告書を調査した結果， GC注記...