新春インタビュー 国税庁・藤井長官に聞く

( 07頁)

本誌は,藤井健志・国税庁長官に新春インタビューを実施。2019年の税務行政に向けた抱負や,軽減税率導入に向けた取組などを聞いた。

――新年に向けての抱負を

平成31年の年頭に当たりまして,謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

国税庁は,本年も引き続き,納税者の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現する使命を着実に果たしていきたいと考えている。税制,税務行政の周知・広報に努めることはもとより,e-TaxなどICTを活用した,納税者の皆様にとって利便性の高い申告・納付手段の充実に努めていきたい。

昨年は大規模な災害が続けて発生し,各地に甚大な被害をもたらした。本年の確定申告に当たっては,被災された多くの方々がご相談などに来署されることが見込まれる。被災された方をはじめ,納税者の皆様が円滑に確定申告を行うことができるよう,申告相談体制の整備を十分に図り,納税者の皆様の立場に立って,親切・丁寧な対応を行っていきたい。

また,経済社会のICT化・国際化が急速に進んでいる。こうした変化に対しても,中長期的な取組も含め,しっかりと取り組んでいきたいと思っている。

――消費税率引き上げに伴う軽減税率の導入に向けた取組は

軽減税率制度は,消費者や幅広い事業者に関係する。特に事業者の方には,制度の実施に向けて,税率ごとの商品管理や区分経理等が必要となるため,その準備を行っていただく必要がある。そのため国税庁としては,関係府省庁と連携して制度の周知・広報や相談対応等を行っている。さらに,具体的な商品・サービスの実例に即して税率の適用の考え方を分かりやすく示していくことが重要と考えている。

このような観点から,軽減税率制度の適用対象品目や請求書の書き方などについて,具体的な事例に基づいて解説したQ&Aの公表,関係府省庁・事業者団体・関係民間団体とも連携した説明会等の開催および事業者向けパンフレットの送付,電話相談に対応するための「消費税軽減税率電話相談センター」設置などの取組を行っている。特にQ&Aについては,事業者の皆様から寄せられた照会などを踏まえ,随時,事例の追加・改訂を行っていく。