国税庁 星野長官に就任インタビュー

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本誌はこのほど,7月5日付で第50代国税庁長官に就任した星野次彦(ほしの・つぐひこ)氏にインタビューを行った。星野氏は1983年に大蔵省に入省後,飯田税務署長,国税庁次長,主税局長などを歴任した。趣味はヨガと仏像鑑賞。

――長官就任の抱負を

国税庁の「納税者の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現する」という使命を着実に果たしていきたい。

近年,経済活動の国際化やICT化が急速に進展し,税務行政を取り巻く環境も大きく変化している。この変化に的確に対応して,中長期的な視点で税務行政の将来像を見据えながら,スマートフォン・タブレットによる電子申告などICTの活用による「納税者の利便性の向上」,AIの活用や情報収集の拡大などによる「課税・徴収の効率化・高度化」。この2つを柱に「スマート税務行政」の実現に向けて,引き続き必要なインフラの整備や業務改革等に計画的に取り組んでいきたい。

インタビューに答える星野長官

――本年10月の消費税率引き上げについて

本年10月の消費税率の引き上げは,全世代型の社会保障制度に転換するために重要な政策であり,国民の皆様にご理解いただけるよう,政府全体として取り組むこととしている。

国税庁としては,税率引き上げと軽減税率制度の実施により,消費税に対する国民の皆様の関心がさらに高まることを踏まえて,一層の適正な執行に努めていくとともに,十分な周知を図る必要があると考えている。

また,事業者の方々が消費税を価格に転嫁できることは極めて重要だと考えている。これまでも法令に基づき,消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保に向けて政府全体で取り組んできたところであり,「転嫁相談センター」などに電話で寄せられた転嫁拒否などの相談に対して,関係府省庁と連携し,引き続き丁寧かつ適切に対応してまいりたい。

事業者・消費者双方に制度改正の内容が十分に理解されることが,消費税の適正執行の確保が図られるために何よりも重要。今後とも,関係民間団体等とさらに緊密に連携の上,国税庁としても,各種施策の実施に最大限取り組んでまいりたい。

――座右の銘は

子供の頃によく父に言われたのは,「相手に好きになってもらいたかったら,まず自分がその相手のことを好きになれ」という話。確かに対人関係の中で,相手の良いところに目が行くようになり,それが自分の人間関係を作っていく上で非常にプラスにな...