東京国税局 美並局長に就任インタビュー
本誌はこのほど,東京国税局の局長に就任した美並義人(みなみ・よしと)氏にインタビューを実施した。美並氏は1984年に大蔵省に入省。長浜税務署長などを務め,主計局次長,近畿財務局長,財務総合政策研究所長などを歴任した。趣味はゴルフと旅行。
――就任に当たっての抱負を
国税組織の使命は,国の活動を支える歳入を確保するために,「納税者の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現する」ことであり,この使命を果たしていくことが我々の責務だと思っている。特に,本事務年度は10月に消費税率の引き上げが実施され,税務行政に対する関心も高くなると思うので,改めてこのような使命を強く認識して,全うしていきたい。
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――東京国税局の重点施策について
一点目は調査事務。東京国税局は経済の最前線でもあるので,国際化への対応や富裕層の方への取り組みを適正に行っていかなければいけないと思っている。その上で,その他の調査も含めて,調査全体のパフォーマンスの向上を図りたい。
二点目は,消費税の軽減税率制度の周知・広報に取り組むこと。これまでも制度の周知や広報を行ってきたが,引き続き,説明会や個別の相談対応を積極的に取り組む。
三点目は徴収事務だが,滞納は未然に防止していくことが必要だと思っており,滞納になったものについては整理促進を今まで以上に取り組んでいく必要がある。そのためには,限られた事務量を効果的・効率的に活用していく必要があると思っている。
四点目は酒類関係。酒類については,国税庁が事業所管官庁になるので,酒類産業の振興に力を入れている。特に閣議決定等を踏まえた日本産酒類の輸出促進に向け,積極的に役割を果たしていければと思っている。
――消費税不正還付事案への対応について
まさに消費税の税率が引き上がるため,消費税についての不正還付や,金地金の密輸が増えてくるのではないかということを強く懸念している。
したがって,消費税に関する不正還付を今まで以上に防止していかなければならない。具体的には東京国税局においても,消費税担当の統括国税実査官の担当者を増員しているので,情報収集・分析や調査企画の量的な面でも向上するのではないかと思っている。
その上で他の国税局と連携し,密輸事案については,税関との連携を今まで以上に緊密に行うことが必要だと思っている。
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