【座談会】アナリストの仕事と役割 第4回 TCFD~気候変動に対する開示に期待すること

解説

インベスコ・アセット・マネジメント株式会社 日本株式運用部 レスポンシブル・インベストメント・オフィサー 古布 薫

株式会社りそな銀行 アセットマネジメント部 責任投資グループ グループリーダー 松原 稔

株式会社日本政策投資銀行 設備投資研究所 主任研究員 松山 将之

株式会社野村総合研究所 上級研究員 三井 千絵

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平均気温の上昇や水害など,「気候変動」が社会にもたらす影響は近年大きくなりつつある。金融安定理事会(FSB)により設置された「TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures=気候関連財務情報開示タスクフォース)」は2017年6月,企業に対して気候変動がもたらす財務的な影響を開示することを提言。日本でも任意に開示を行う企業が見られるようになった。この新たな開示の枠組みに,投資家やアナリストはどう考え,どのような情報を期待しているか。4回目となる本座談会では,TCFDや気候変動の開示に対する期待と課題を議論していただいた。

1.TCFDとは

三井:この座談会ではこれまで,“有価証券報告書の利用”について議論...