Q&Aコーナー 気になる論点(250) 金利指標改革による契約変更の会計処理

解説

早稲田大学大学院 会計研究科教授 秋葉 賢一

‐IASBとFASBの対応‐
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Q  米国財務会計基準審議会(FASB)が2019年9月5日に公表した会計基準更新書(ASU)案「参照金利改革(Reference Rate Reform)(Topic 848)‐財務報告に対する参照金利改革の効果の促進」は,国際会計基準審議会(IASB)が,2019年9月26日に公表した「金利指標改革(Interest Rate Benchmark Reform)‐IFRS第9号,IAS第39号及びIFRS第7号の修正」と,同様の内容なのでしょうか。

A

FASBのASU案は,参照金利改革によって影響を受けるヘッジ会計と契約変更の会計問題を取り上げています。他方,IASBの公表物は,金利指標改革前(フェーズ1)におけるヘッジ会計の問題への対応が中心であり,契約変更の会計問題は,金利指標改革時(フェーズ2)への対応に含まれる可能性があります。

<解説>

背景

金融庁のホームページにおける「LIBORの恒久的な公表停止に備えた対応について」というサイトの中で,2019年8月1日開催の金利指標改革フォーラム「市中協...