時事談論 vol.32「コンピュータによって代替される専門家」

解説
( 42頁)

●オックスフォード・レポート

C. BenediktとM. Osborneによる,いわゆるオックスフォード・レポートによれば,さまざまな職種のうち,Accountant and Auditorの仕事が,近い将来,コンピュータの進化による自動化によって代替される確率は,94%とされている。

これは,会計関連の職業のうちでも良い方で,Bookkeeping, Accounting, and Auditing Clerksになると,98%が代替される確率となる。つまり専門判断を必要としない入力業務等は,当然にほとんどが代替されるということだ。

これは,遠い将来のことではなく,10年ないし20年後のことである。Osborne准教授たちの最初の論文発表が2013年であったことからすると,早くて2023年,遅くとも2033年にはこうした現実が待っているともいえる。

この研究結果は,世界的にも,かなりの衝撃をもって受け止められ,OECDは,改めて同一テーマの調査レポートを発表し,あくまでも,それぞれの職業における業務の部分的な代替に過ぎないこと,職業自体が無くなってしまうものは,極めて限られ...