<IFRS COLUMN>暖簾に腕押し 第3回 わが社はIFRSを採用すべきか(その3)
解説
( 38頁)
コンバージェンスと任意適用の狭間に
「まるで火事場の二階にいるみたいですよ。」
これはIFRSの任意適用をようやく検討し始めたばかりのある会社の担当者から聞いた言葉である。彼いわく,下から日本基準の大きな改定の火の手が迫ってきている。例えば収益認識基準の改定や,将来検討されているリース会計の改定などである。その火の手に巻き込まれるくらいだったら,いっそ二階の窓から飛び降りてしまった方がいいかもしれない。彼の言う二階の窓から飛び降りるとは,どうやらIFRSの任意適用のことらしい。
ASBJでは日本基準を国際的に整合性のあるものとして維持するための取り組みを行っている。この稿ではその取り組みのことを便宜コンバージェンス〈収斂〉と呼ぶことにする。コンバージェンスは国際的な会計基準を自動的に取り入れることではなく,我が国における会計基準にかかる基本的な考え方に沿うかどうかを判断して,必要に応じた修正を加えながら,我が国の基準として取り入れる作業である。したがって,収益認識基準のような非常に重要な会計基準については,コンバージェンスの対象となり,IFRSの任意適用をしていなくても,早晩...
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