年頭所感《公益財団法人 日本監査役協会 会長 後藤 敏文》

公益財団法人 日本監査役協会 会長 後藤 敏文

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年頭にあたり,「週刊経営財務」読者の皆様に,謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

新型コロナウイルスという未知の感染症に世界中が翻弄された一年が明けました。しかしながら,感染症は依然として猛威を振るっており,終息にはほど遠い状況です。日夜尽力される医療従事者の方々に,皆様とともに心より敬意と感謝の意を捧げたく存じます。

この感染症は,人々に行動変容を求めるだけでなく,企業経営にも甚大な影響をもたらしていることは申すまでもありません。度重なる自然災害を通じ,各企業ともグローバルサプライチェーンも含めたコンティンジェンシープランの改訂を重ねてまいりましたが,パンデミックの前にはそれも及ばなかったという面があります。ワクチン開発では,少し光明も見えつつありますが,それ以前に,企業活動の抜本的な見直しを余儀なくされているため,監査役等としては,リスク管理の在り方を含めた様々な変化に一層の注意を払って,職務に努めていかねばなりません。

一方で,近年進められてきたコーポレート・ガバナンスに関連する様々な改革は,着実にその歩みを進めております。

会計監査に関連した改革としては,本年3月末を期末日とする事業年度...