新春特別寄稿 10年間の基準設定を振り返る――進展と今後の課題

国際会計基準審議会(IASB) 議長 ハンス・フーガーホースト

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2020年は厳しい年でした。新型コロナの感染拡大は,私たちの生活,経済,そして考え方をも変えました。同時に,私たちの適応力と強靭性が示された年でもありました。

経営財務の年頭所感で私はいつも前年を振り返ってきましたが,私の国際会計基準審議会(IASB)議長としての2期10年の任期も残すところあと半年となりましたので,この10年間の基準設定の進展を振り返るとともに,今後の課題を共有したいと思います。

新型コロナ

幸いなことに,最新のテクノロジーにより,IFRS財団とIASBはロックダウンの下でも業務を継続することができました。私たちは,ロンドンのオフィスの会議室に着席する代わりに,全員がバーチャルな会議に参加することよって毎月の審議会を継続し,基準設定プロジェクトを議論し,進展させてきました。毎月その議論をライブで傍聴している方々から見るとあまり変化はなかったと思います。

IASBは,2つのアプローチで感染拡大の影響に対処しました。IFRS基準を適用するステークホルダーの取り組みを積極的にサポートすることと,私たちの協議に応じていただく時間を増やすため,IASBの作業計画を変更することです。

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