KAMへのXBRLタグ付けミスの状況①

本誌調査 指定ミス,付け忘れ,範囲選択の間違いに注意
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2021年3月期の有価証券報告書が出揃った。当期から監査報告書に監査上の主要な検討事項(KAM)が記載されるとともに,EDINETで有報を提出する企業は,EDINETタクソノミに新設(追加)された監査報告書(KAM記載用)のXBRLタグを付けることになっている。日本公認会計士協会は事前にタグ付けミスの防止に向けた留意事項を公表するなどして監査人に企業のタグ付け支援を促していたが,初めての作業であったせいかミスが発生している。典型的なミスのパターンを確認していくので,今後,有報を提出する企業の担当者は提出前にチェックしていただきたい。

タグ付け作業の概要

監査報告書のKAMに対応して新設(追加)されたXBRLタグ(定義)は以下の7つ(個別財表の監査報告書は8つ)である。

①監査上の主要な検討事項(連結・個別)

②全体概要(連結・個別)

③見出し(連結・個別)

④内容及び理由(連結・個別)

⑤監査上の対応(連結・個別)

⑥開示への参照(連結・個別)

⑦連結と同一内容である旨(個別のみ)

⑧件数[メンバー](連結・個別)

このうち,①~⑦は指定対象の内容を示すタグであり,⑧はKAMの項目と注記への参照先が複数ある...