ASBJ 持分法会計 一行連結と測定基礎のハイブリッドを提案

予想信用損失モデルに基づく金融資産の減損の開発
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企業会計基準委員会(ASBJ,小賀坂敦委員長)は8月30日,第464回本委員会を開催した。審議事項は,ASBJショート・ペーパー「持分法会計についての視点」,金融資産の減損に関する会計基準の開発など。前者は持分法会計の性質が,「一行連結」と「測定基礎」の2つのアプローチのハイブリッドであることを明確化すべきとした意見を発信するもの。当日,IASBにショート・ペーパーを提出することが了承された。

一行連結と測定基礎のハイブリッド

同ショート・ペーパーでは,持分法会計が持ち分に相当する損益のみを計上する「一行連結」と投資の評価技法としての「測定基礎」という2つのアプローチのハイブリッドであることを明確化すべきだと提案している。

ASBJは,IAS第28号「関連会社及び共同支配企業に対する投資」における要求事項が,「一行連結」または「測定基礎」どちらかのアプローチに完全に整合したものではないと整理している。そのため,どのような場面で一行連結を重視し,どのような場面で測定基礎の側面を重視するかが明確ではなく,実務上の問題が指摘されている。例えば,「持分法会計の性質が一行連結であるとはされていないため...